DIARY

ブラックウォールナット製材

2012-06-18
木工制作者にとって丸太の購入、製材は必須とは言えませんが出来れば、出来る限りこの段階から関わった材料を使いたいと考えています。材木商から板を一枚、二枚と購入する事は勿論可能ですが、一つの品物を作るのに十枚の板が必要とした時に、同じ樹種でもそれが一本の丸太から挽いて取られたものが揃う事はまずあり得ません。同じ樹種の木にもそれぞれ個性があって板になった時に木味の違いとなって表れ、それをランダムに組み合わせて作ったものと、同じ丸太から取った木味の揃った板を組み合わせて作ったものとどちらが良い仕上がりになるかは説明するまでもないと思います。メリットはそれだけではありませんが、デメリットに繋がりかねない緊張感もまた買っています。それは信頼の置ける材木商の社長の勧めを受けて丸太は買いますがどんなに熟練のプロでも透視能力がある訳ではなく、丸太の中身は挽いてみなければ厳密には分からないという事です。いい木目、想像以上の板が取れれば顔がほころび、また思いがけない難が出れば「うっ」と表情が歪みます、北米産材のウォールナットは中から銃の弾丸や鉄線が出てきて材を傷めている場合などもあり製材中はやはり目を見張ります。今回は概ね「よしっ」と終えられましたので写真を並べてみます。緊張感が多少でも伝わるでしょうか。 岸和田市(株)服部商店にて これから桟積みをして何年もの乾燥期間を経た後に加工に使える材料となります。