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2021年始動
いつもより年始の1ページ目が遅くなりましたが、既に始動して1週間が経ちました。
世の中の状況については何も書くつもりはありません、とにかく健康に気を付けて日々を過ごして行きたいと思います。年末の挨拶にも書いたように『原点強化』をテーマに今の自分に出来ることを見つめ、見直し、木の仕事を精一杯進めて行きたいと思います。
そんな今年のテーマを思って振り返るのにちょうどいい写真が出てきました、1996年、神戸で地震の直撃を受けた翌年、勤めていた会社を辞めて岐阜・付知町の早川謙之輔氏にお世話になっている時の一枚です。当時32歳、木工を始めるにはどうしようもなく遅いがおまえの今までの経験を生かしながら進んでいけば良かろう、というような事を言って頂いた頃、自分は何を考えていた?物を作る仕事に携わりたいと美大のデザイン科に進んだ頃は何を考えていた?事を始める時純粋に考えていた事の確認は大事な気がします。その考えが自分にとって間違っていなかったと思えたらそこをもう一度強化して今後も進んで行くのみ。そして奥へ深みへ入って行ければ尚楽し、又その結果生み出すものが世の中の役に立ちますようにとも願います。
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
今年も皆様ありがとうございました
2020年大晦日、午前中まで工房での作業をして午後からようやく大掃除を始めるも工房の内外や一年間に溜めこんだ木材の整理など、当然半日では片付くはずも無く、暗くなり始めてから窓ガラスを拭いて、ああ少し明るくなったと終了。
今日だけを切り取るといつもの年末と変わりが無いけれど、やはり今年は特別な一年だった。それは日本中、世界中全ての人にとってそうだったという特別な一年。自分の力ではそれをどうにかできるものでは無いと言うものに世界中の人が同時に対面した特別なこと。
そうすると自分に出来る事を坦々としよう、しなければいけないと言う思考に自然となったように思う。一年を軽く振り返ると今まで考えているだけで動けなかった事も少し踏み出してみる事ができた、それはまだ密度が無いにしても、遅い歩みでも継続していければいいと考えている。
さて来たる年もこの状況は急に良くなる事もないだろうから、やはり自分に出来る事を見極めて力強くよくやっていきたい、そこで最近意識している言葉は『原点強化』。自分の原点、木の仕事の原点、人の営みの原点、そんなところを見つけて、見直して、鍛え直すと良いのではないかと思っている。
人に会えない会いにくい一年でしたが、それでも良い出会いがあり、又いつもの顔とも対面し、またオンラインミーティングも慣れないながらも便利に使い、今年も皆様大変お世話になりありがとうございました。いつもと少し違う状況ではありますが良い新年をお迎えください。そして健康にお気をつけお過ごし下さい。
倉庫整理
新たに取り込みたい材があっても小さな倉庫が足の踏み場も無い状態。
「5年着てなきゃもう着ないって、、」というテレビCMがあるように、10年以上眠らせていると板材もなかなか手を着けるきっかけが見つからない。そこで一点ずつ完成品を作ろうとするとまた進まないので使い道の目処を立てて出して行きたい。
今回は長方形のテーブルを作った残りの材。使い方次第で面白く味わい深い表情の丸テーブルの天板となりました。
オーダーの作業に戻る為、今のところ作業はここまでで保留です。
φ 1.200mm 厚み約36mm ウォールナット材(二枚ハギ、ブックマッチ)
現状渡し可(90.000円〜)脚付き完成品は程度によりご相談、材料費を削ってお出しできるものもあるのでお問い合わせ下さい。
ギリギリφ1.200を確保
これはオイルではなく水に濡らして仕上がった時の色味、表情を確認
入り皮を取り除いて離れた部分を千切りで繋ぐ
現状無塗装です
植生調査 = 資源量調査
10月12日、18日、気候も良くなり快適なこの時期から山に入り植生調査を始めました。就労弱者の支援を目的とするNPO法人SODAが発起人となりそこから繋がる学者、大学教授、林業家、木工、そして若く頼もしい大学生達が集まりました。調査をするのは南あわじ市八木馬回(やぎうままわり)集落が獣害対策として緩衝帯整備の為に木の伐採を進める集落外周を囲む山。集落内での活動の中心になるのはここで農家を営む方々の代表2名の方ですが、話を聞く度にこの地域での農業を生業とする生活の長期的な維持を明快な目的として持っておられる事にメンバーは皆うなずき、集落側も調査研究〜伐採〜もの作り〜仕事作り、そしてその拡散は集落の将来に繋がると感じて頂けているように思います。下見を含めると山に入るのは今回で3回目、皆さんこころなしか足取りも顔つきも生き生きとしてきたように感じます。
次の季節、次の段階に実際山の木を伐採して木材としての準備を進める時にその重労働に顔は青ざめることは簡単に想像できますが、どの段階もやはり生き生きと皆が動ける方法を考える事が継続のカギかと思います。先ずは3年計画、その後も坦々と歩めるように多彩な顔ぶれが知恵を絞らなくてはいけません。
成相寺の「天然記念物・イブキの樹」の下に集まる。
吉備国際大学 農学部の学生さん達の協力で計測作業ははかどりました!
10m × 10m(1アール) 内の木の計測(胸高径と樹高)を6箇所とり、伐採計画地内の植生を把握する。
それを資源と捉えると植生調査 = 資源量調査。
立木を見ての樹種同定は相変わらず難しいが、少しづつ⤴︎。
樹の話になると最近話題に出るのは「ナラ枯れ」。淡路島は明石海峡を渡って入り現在は南あわじでも多数確認出来る。
コナラ、カシ類に入る、「カシノナガキクイムシ」が開けた穴を確認できる木(ここではコナラ)は思いの外多い。少なくとも入った木の2割くらいは枯れるそうだ。
「鹿は芸術家」という見方はどうだろうか。この山では日中でも鹿を確認できる。
自然に近づいてみる
地面から30~40センチ立ち上がった幼木、山歩きの途中足元に生える数ある植物の中からこの葉を見つけて「榎/エノキ」と同定出来るまでにはまだまだ目を慣らす必要がありそうだ。
JINOのメンバーで美術家のNさんの発案で月に一度、森づくりと題し山を歩く、様々な職種の人が集まるのでそれぞれの視点がありこの活動の着地点は動きながら探るという事になるが、草木の名前や性質、小さな生物の生態を少しづつでも学びながら自然に歩み寄り近ずくことは誰にとっても良いのだろうと思える。
山には当然多くの生物がひしめき合って共存したり生存競争したりしながら生きているはずだが、日々、季節ごと、毎年、或いは隔年、繰り返す営みは坦々としながらも知的だ、そんな切り口で書き出すと長くなりそうなので、山に入るとそう感じるという事だけにして、
毎回樹々や草花の名前を教えて頂き、小さな生物の生態を分かりやすく説明してくださるI氏から得る知識、時には実用的な豆知識もしっかり記憶して又次に自分の周辺に伝えていくだけでもこれは森づくりだと言える。些細なことを知るだけでもそこへの関心は高まり、沢山の入り口がある事に気付くのです。

榎の幼木
榎の葉。榎は淡路島ではよく見かける木、比較的大きくなる木だ
アラカシの葉
小マユミ
瀬戸内マイマイ(アワジマイマイ)
池に群生するヒメガマ
スツールの座編みに使えないかとヒメガマの葉を採取、遊びの範疇以上に考えていること
ぬめりを水洗いしてしばらく乾かす、楽しみながら実用品も
A-1 stool
チェアーと合わせて、又リビングでも気軽に使えるスツール、
前後に傾斜のない座面はサイドテーブルとしても使って頂けそうです。
A-1 stool – Rattan / wn
w 420 × d 360 × h 445 (sh430)
※ 寸法は計測方法により誤差を生じます、また予告なく変更する場合があります。
ウォールナット材・オイルフィニッシュ/座・ 籐張り
価格/¥ 45,000(税別)※ 受注制作
お問い合わせ : info@kitajimanobuyuki.com
Oak × Rattan
A-1 chair – Rattan / oak
明るい色味のオークと籐の経年変化による色の移ろいも楽しみの一つです。
w 420 × d 510 × h 860 (sh 430)
※ 寸法は計測方法により誤差を生じます、また予告なく変更する場合があります。
オーク材・オイルフィニッシュ/座・背 籐張り
価格/¥78,000(税別)※ 受注制作
お問い合わせ : info@kitajimanobuyuki.com
A-1 chair – Rattan
以前から作りたかった A-1 chairの籐張り仕様 が完成しました。
A-1 chair – Rattan / wn
優しい座り心地で長く落ち着いて座って頂けます、ぜひ実物に触れてお確かめください。
w 420 × d 510 × h 860 (sh 430)
※ 寸法は計測方法により誤差を生じます、また予告なく変更する場合があります。
ウォールナット材・オイルフィニッシュ/座・背 籐張り
価格/¥78,000(税別)※ 受注制作
お問い合わせ : info@kitajimanobuyuki.com
ご来場誠に有難うございました
昨日9月22日をもって座る・くらべる一脚展+(プラス)2020は会期を終了しました。
今年はコロナ禍での開催となり展覧会準備期間も会期中も出店者一同心配事は多くありましたが、2週間の会期を盛況のうちに終えることができました。多くのご来場有難うございました。
『風の椅子』・今年の出品作は椅子の形として見える姿や機能的な座り心地と使い易さなどを追求して作ったと言うよりも、皆さまの心(感性)に届くもの作りと捉えて望んだつもりでしたが思いの外その姿や座り心地がいいと言う評価も会場で多く頂きました。椅子なのでそれは勿論嬉しい評価です。そしてこれも結果を求めませんが、多くの方々に何かそれぞれの感性で感じて頂けた事があれば幸いです。
先日投稿したYouTubeでの製作風景動画も引き続きご覧ください。
そして当面はアトリエKIKAに『風の椅子』はありますので実物に触れに淡路島へお越しください。良いところに置かれる、使われる、嫁ぎ先を募集しています。
※ 価格についてはお問い合わせください、製作に掛けた労力、時間などから設定価格はありますが良き理解者のもとに旅立つことを望みますので相談の上と考えております。
風の椅子 / Chair- Blowin’ in the Wind
樹が育った「動の時間」
椅子になった「静の時間」
その途中の束の間
その「束の間」を記録した映像です。
「風の椅子」は一脚展+2020(新神戸・竹中大工道具館)で9月22日まで展示中。
会期は22日(火曜日)まで、是非会場へお越しください。
21日、22日は在廊しています。
制作風景:約10分/ + atelier KIKA 紹介:約5分 長いですが秋の夜長に。
※ できれば大きな画面で音の出せる環境でご覧ください。