DIARY

レストア

2012-04-07
分解、塗装のはく離という普段では馴染みの無い作業から始めました。車やオートバイは年式の古いものをレストア(レストレーション)して内外装やエンジンに手を入れ走行不能だったような車体を蘇らせる、そんな業者が家具よりはまだ一般的にあるように思います。私も学生の頃から車好きで旧車好きなので車のレストアの作業を時々目にする機会がありますが、年式が古ければ古い程その作業は当然ながら困難で全体を各部品に分解し、腐食部分を造形し直したり、手に入らない部品を新たに作ったり、同仕様の他車から部品をコンバートしたりと・・・細かくは切りの無い作業です。今回の書斎机(椅子)の修理も先ず各部の分解に始まり、車のレストアと同様で使える価値ある部材は極力使える状態に戻し、新たな部品を組込んだ方が良い場合は全体に馴染むようにして加える、という作業を施しました。写真には表れない内部の部材や引出しの箱は虫食いのダメージがひどくほぼ一式作り替えた程ですが、表に出ている楢材はホゾの組み直しや、反りの矯正、補強等そして再塗装を施せばしゃきっと蘇りました。作られてから少なくとも60年から70年くらい経つ机ですが私の診断ではまだまだ折り返し地点にも達していないのでは、と。納品時に依頼主の方に大変喜んで頂いたのが第一に何よりの事ですが、この年代の家具(木製品)に触れ感じる事も多くありましたので良い機会となりました。     Before