昨日9日(日曜日)をもって座る・くらべる 一脚展+2018は終了しました。多くのご来場に出展者の一人として御礼申し上げます。また私の繋がりからお越しいただいた皆様、お忙しい中、遠方からも、そして雨続きの天候の悪い中本当にありがとうございました。
今回私が出展の『始まりの椅子』は他正統派の椅子が並ぶ中では当然ながら異質と感じられた方が大半だったと思います。座り心地を追求したのではなく、加工の技術力を見てもらうものでもなく、アンケート用紙を片手に自宅にはどんな椅子が良いかと座り比べて頂いた方には論外の感はありましたが、来場者のわずか数パーセントの方は何かを感じて頂けたかなという実感もありました。それは「木」「樹」そのものと言うような事か、そこから「自然」「生命」・・と繋がってと言う事もあったのかも、知れません。まだ全に目を通せたわけではありませんが、アンケートに思いの外沢山コメントを残してい頂けたことにも感謝、気になった一言をいくつか書き出すと「精神の統一に向き」、「存在感が私の心に響きました」、「お話にできそうな」、「木に包まれた感じが気持ちよい」、「少し窮屈」、「子供にぴったりのサイズでした」、「他にはない、木から出来ていることに改めて気付く」、「一日一回座ると元気が出そうです」等々まだまだありますが読ませて頂くほどに「始まりは」次に繋がります。最後に書き出したものなどは本望で嬉しいですね、そんな目的も一つ、設置希望の方募集します。また大人には窮屈という声も多かったのは確か、それはこの丸太の大きさからは限界で、次は更に大きな樹にも臨みたいものです。「樹」の提供者も合わせて募集しております。
8月、9月は滋賀県大津市の「じどりや穏座」ONZAさんの家具制作に追われています。直営地鶏料理店として定評があるお店ですが内装の雰囲気やメニューも変えて10月にリニューアルオープン、案内は又このページからもさせて頂きます。
椅子席の家具類は概ね使い慣れたウォールナット材で進んでいますが、座敷席の大テーブル(2,720×920)天板材だけは何か針葉樹でと探したところ、材木店店主がもう20年以上前に仕入れて少しづつ出していると言うカリブ松を見せてくれました。根元に近い方は肥をたっぷり含んでいい表情、その分、ノコ刃やカンナの刃がべたべたになるけれど仕上がったものはオーナーこだわりの内装によく合うのではと思います。
カリブ松、どこの国が原産か今となっては材木店もわからないそうですが、分布範囲の広い松は確かにカリブ海沿岸諸国にも生息、小さな島国にもあるようだしホンジュラスやニカラグアか・・・制作中というのは材の触感や匂いも感じながら進めるので頭の中のイメージの世界に入り込み易いものです、原産国に思いを馳せてgoogleを操りながらその国に飛んだりもできます。
今日は竹中大工道具館へ一脚展の搬入日、神戸まで往復してきました。今回の出展者は15名、参加が2回目の私は以前から知る人、初対面の人いますが、各自が順次搬入に現れて挨拶交わしながら会場作りをし概ね夕方までには準備が整いました。一脚展の椅子15脚は中央に、それを囲む様に各自の展示が数点ずつ広い会場に並んでいます。
私は一脚展の方は少し大胆に、個人のブースの方は今皆さんに観ておいて頂きたいものを持ち込みました。一見関連のない様な数点の展示ですが私の中には一定のテーマがあり、会場でお会いできた方とはお話しできればと思います。ただ会期中淡路島の工房では納期を気にしながら制作を進めているので神戸で在廊できるのは9月2日、9日の二回の日曜日のみ、お会いできなかった方には感想も厳しい評価もまた後日聞かせていただければ幸いです。
会期は8月28日〜9月9日
竹中大工道具館へのアクセスはこちら

会場準備中

会場ホールの周りは緑豊かな庭が広がり、この敷地の北隣は新幹線の新神戸駅です。
神戸在住の方も知って驚く立地かもしれません。
新神戸の竹中大工道具館の1F ホールは広く、明るく、緑が見えて気持ちの良い空間。ここで8月28日から9月9日まで開かれる第八回となった一脚展に参加します。今年のテーマは『シコウの椅子』、この「シコウ」に漢字を当てはめると様々な意味になります、実行委員会は良いテーマの設定をしてくれました。さて私もじっくりと「思考」して、しかし短期間で勢いよく出展用の椅子を作りました。「私考」を思い切って形にした問題作だと自覚していますが問題提起もできればいいと考えています。材料には近年個人的なテーマである『チカバノゾウキ』/近場の雑木を使って今後の「指向」を「試行」したとも言えます。
何が言いたいかよくわかりませんね、会場へ足をお運び頂きどんな「シコウ」かを感じていただければ幸いです。一番しっくりくる「シコウ」の漢字は会場で。
一脚展の後にある+(プラス)は出店者15名の個人展示がプラスして他にもあるという事、このスペースに私はお客様に納めて既に個人所有となったものを含む、普段現物を見て頂きにくいものを展示しますので合わせてご覧下さい。ご来場お待ちしています。
「毎日暑ですね」とまた書いてしまう。皆さんももっと大袈裟な表現で毎日挨拶を交わしてるのだろうと想像しますが、夜は日中の暑さを少しでもクールダウンしたいものですね。
新聞の記事を見て思い出した、「村上春樹がラジオやるんやった」ノーベル賞はまだ取らないよと毎年思うハルキストでは無い私ですがこの放送は聴いてみたいと思っていた。そこで
「ラジコ」を検索、タイムフリーで聴けました。エアコンでなく扇風機を回して広い部屋で大きな音で、たまたまそんなシチュエーションが合ったのか、「とても良かったです」音楽で夏を感じた1時間弱でした、そしてクールダウンもできた気がしたので皆さんにも紹介しておきます。
番組の後半のある曲で思い出したので、暑い夏にいい映画も一つ紹介。
「真夏の夜のジャズ/JAZZ ON A SUMMER’S DAY」
以前はVHSに撮ったものを毎夏必ず一回は観ていたのにビデオデッキが壊れてからは観ていないなぁ、DVDを買ってまた観てみよう。ジャズ狂で無くても暑い夏の日の夜にほんといいですよ。
JAZZ ON A SUMMER’S DAY
今年の夏は格別に「暑い」、というのは昨年ここでの暑中見舞いの書き出しでした。今年は更に猛烈にとか〇〇にともう一段上の表現をしたいところですが、先週の各地で最高気温更新、40度超え、、というニュースを毎日見ていると今はもうこの夏の暑さを受け入れて過ごさなければ仕方ないかなと感じます。7月の豪雨や猛暑、昨日からの少し変ったコースを通る台風、6月の大阪北部地震もまた自然現象は人には酷な振舞いをしますが、災害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げ、一日でも早く平穏な日々を取り戻してもらう事を願います。
今日の淡路島は台風一過少し涼しく感じますが、明日からはまた暑さが戻りそう、「暑い暑い」と言ってやり過ごせるならそれも良し、夏バテしたり熱中症で倒れない対策をして来たる8月を乗り切りたいものです。皆様も健康にはくれぐれもお気を付けて良い夏をお過ごし下さい。

連日工房内は35度前後になる事にたまりかねてスポットクーラー購入。
あり物の廃熱ダクトが派手なのと薪ストーブとのアンバランスは突貫故・・・

京都市 2018 . 07
部屋のアクセントになるコートハンガーをとの依頼で製作。明るい色の部屋に合わせてメープル材と真鍮で。
またキッチンカウンター用に同じメープル材でスツールを2脚、いそがしい朝の食事はここで取るのだとか。



以前に作った5本脚のコートハンガーを3本脚に、1/10スケール模型でスタディ。

座面の高さはカウンタートップの高さに合わせて特別仕様。


Cozy 2 アームチェア
「ゆったりと座る、長く くつろいで座るために」
w560 × D530 × H760 / sh430
※ 寸法は計測方法により誤差を生じます、また予告なく変更する場合があります
フレーム/ウォールナット材・オイルフィニッシュ
座、背/本革張り(色選択可)
価格/¥102,000(税込¥110,160)
※ 受注制作

某食品メーカー・重役会議室 納入例
先週の大雨をやり過ごすうちに会期の半分が過ぎて残り5日となっていますが、現在
HIRAMATSUGUMI/ヒラマツグミの新しいギャラリーで
「島の十皿」のイベントにまつわる器が展示されています。陶芸家たちの器に並んでアトリエKIKAの木のお皿も展示中。島の雑木、近年集めているチカバノゾウキ(近場の雑木)を使ったもので、他少し椅子やスツールなども並んでいます。以前は洲本の商店街の中にあったヒラマツグミの233ギャラリーは一変して洲本市中河原の田畑の風景が長閑な中に現れる大きな建物、中に入るとこんな場所にこんな空間があるの?という気持ちの良いところです。カフェも併設されているので是非この機会に足をお運びください。
展示(販売)会期は7/14(sat.)まで
先月取材を受けた記事が載る雑誌が今日届きました。タイトル「兵庫で見つけたデュアルな暮らしかた」という16ページの特集の中の見開き2ページが我が家、家族のこと、アトリエKIKAとして仕事のこと、などここ洲本市での生活ぶりが紹介されています。特集の趣旨としては明石海峡を挟む4市がその土地の魅力や住み方を発信して移住プロモーションをするという事なのです。なのでそれぞれタイプの違う4人が紹介されていて、私達が一番その生活が長い家族です。ここ洲本市五色町に移り住み今年で18年、「いかがですか?」と問われると「いいです!」それはどこの土地でも長も短もあると思いますが、短所を見だすときりがない筈で、長所を見つけて上手く使って生かして今後も生活していきたいものです。デュアルな暮らしかたってかっこいい表現ですね、中でも我が家に限っては明石海峡大橋渡って更に鳴門海峡大橋も渡って行ったり来たり、ばたばたですわ! 家族写真もありで是非皆さんに見て頂きたいと思います、どうぞ書店で手に取ってご覧下さい。
Discover Japan 2018 7月号/枻(えい)出版社
伐採後雨にさらされてしまった幹や枝はどこを割ってもグレーの木肌、それなりに味わいがあると言えなくはないが、Old nalutO Orange O.O.O. !古色を帯びて今回予定した使い道には少し清潔感が足りない。そこで思い切って色を抜いてみた、出来たのはお皿です。
試行錯誤中を理解の上でイタリアンレストラン
cenciさんで使い始めてもらっています。様子を尋ねると、「いい感じですよ!!」との事。どのタイミングでテーブルの上に出て来るかどうぞ京都へ食事にお出掛けください。
各種、継続して作ります。
今までに形にしたことが無い物を作る我々の仕事では、卓上でスケッチや図面を描いて平面、二次元で考えることは必要な作業で、制作の取り掛かりには欠かせません。しかしそれだけでは本番の作業に取り掛かれず迷うときは、1/10程度の模型を作ります。木を削るとは言え椅子に座ってデスクワーク、2時間ほど集中すると完成品の感じがつかめるのです。さて、今回は以前に作ったコートハンガーの3本仕様、依頼者の方も制作者もハンガーになる3本を並列にして壁に向かわせるか、5本仕様と同じように円の中心に向き合わせるか、迷っています。迷うという事はどちらも良いと考えています(制作者)。並列の仕様は同じ曲線がくり返し並ぶ綺麗さがあって前回と違う新鮮さもあって良し、後者の方は、5本に比べ寂しくなるかと感じながら模型にしてみたところ、それぞれのハンガーの線が全方向よく見える間ができ良いなと感じます。置く場所を変えられるのもこちらの利点です。
ほぼこの記事を書き終えたところで連絡が入り、後者の円の中心に向かう自立式の方になりました、制作スタートです。